香港の不動産開発会社、新世界発展(ニューワールド・デベロップメント)が開発したショッピングモールでの大型店舗開設について、同社は高級ブランド大手ルイ・ヴィトンと協議している。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。

ルイ・ヴィトンは新世界発展が開発した「K11・MUSEA」に店舗開設を計画している。新店舗は同施設内の約4万平方フィート(約3716平方メートル)のスペースを占める予定で、ルイ・ヴィトンにとってアジア最大級の店舗となる。非公表の情報だとして関係者が匿名を条件に語った。

店舗にはVIP顧客向けの博物館やカフェ、ラウンジが併設される可能性もあるという。賃貸料の詳細は不明。

交渉はかなり進んだ段階にあるが、まだ詳細が変更される可能性はあり、白紙に戻ることもあり得ると関係者は述べた。

新世界発展はコメント要請にすぐには応じなかった。ルイ・ヴィトンの親会社、LVMHモエヘネシー・ルイヴィトンの広報担当者はコメントを控えた。

新世界発展の株価は18日の香港市場で一時10%高となった。LVMH株は一時1%高となったが、過去1年間では約28.5%下落している。

香港のK11・MUSEAモール

合意が成立すれば、香港の小売業界に自信をもたらし、低迷する商業不動産セクターへの追い風にもなる。

K11・MUSEAは、香港の有名なビクトリアハーバーの近くに位置し、アートや文化の要素を取り入れたファッション性の高いデザインで観光客にも人気のスポットとなっている。

香港の高級ショッピングモールの一つに、小売り以外の用途やVIP顧客向けスペースを大幅に確保したメガストアをオープンするという計画は、中流階級の自由裁量消費が落ち込む中、富裕層からより多くの成長を引き出そうとする高級ブランドの戦略を浮き彫りにする。

ファッション業界では顧客との個人的なつながりを深めるために、よりユニークなショッピング体験をデザインする動きが活発化しており、景気後退の影響を受けにくい顧客層に注目が集まっている。

ルイ・ヴィトンは2023年にK11・MUSEAモール前で同社として香港で初のファッションショーを開催した。

ルイ・ヴィトンの初のファッションショー(2023年)

原題:Louis Vuitton in Mega Store Talks With Hong Kong’s New World (3)(抜粋)

--取材協力:Apple Ka Ying Li、Shawna Kwan.

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