19日の東京外国為替市場の円相場は1ドル=149円台半ばに下落。日本銀行はこの日の金融政策決定会合で政策を据え置くと見込まれており、植田和男総裁の会見が警戒されている。

市場では実需のドル買いが円を押し下げたとの声が聞かれる。SBIリクイディティ・マーケットの上田真理人金融市場調査部長は、円は公示仲値の設定にかけて売られて、戻りづらくなっていると指摘。植田総裁が今後の利上げスケジュールを示す可能性は低く、不透明感を強調すると円売りになると警戒する。

2025年春闘で賃上げ率が34年ぶりの高水準となり、日銀は想定通りの経済・物価動向を背景に利上げを進める姿勢を維持する見通し。ただ、植田総裁の発言が慎重なトーンになれば、「5月や6月の利上げ期待は後退し、ドル・円は150円を超えることもあり得る」と三井住友信託銀行米州部マーケットビジネスユニットの山本威調査役(ニューヨーク在勤)はみる。

野村証券の後藤祐二朗チーフ為替ストラテジストは19日付のリポートで、4月2日のトランプ関税に関する不透明感も高い中、日銀から次回会合に向けた明確なメッセージが出る公算は乏しいと指摘。利上げ期待が大きく高まり「円買いの流れを再開させる材料とはなりにくそうだ」との見方を示した。

 

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