ドイツ高級車メーカーBMWは14日、中国での販売低迷と米国と欧州間の貿易摩擦の激化により、2025年の自動車製造部門の利益が、同社の長期目標を大幅に下回る見通しだと明らかにした。

BMWは、2024年に6.3%まで落ち込んだ自動車事業の利益率が、今年は5-7%になると予想している。同社は長期目標で、同部門の利益率を8%以上に維持するとしている。

ブルームバーグのインタビューに応じるBMWのオリバー・ツィプセCEO兼会長

BMW株は14日、一時6%下落した。同社の株価は過去1年で約25%下落している。

比亜迪(BYD)など地元の電気自動車(EV)メーカーが台頭する中国での販売に苦戦するBMWにとって、今年も厳しい年になりそうだ。同社は今年後半にEV新ライン「ノイエ・クラッセ」の生産を開始し、市場シェアの回復を目指す。

一方、米国の関税は、BMWがメキシコで製造する自動車にすでに影響を与えている。BMWが主力のセダンを製造する欧州からの輸入車に、トランプ米大統領が追加関税を導入すれば、状況はさらに悪化することになる。

 

BMWの自動車販売台数は、中国での業績低迷で昨年4%減少した。同社は、自動車価格の下落と製造コストの上昇に苦しみ、中国にBMWブランドと「ミニ」の販売台数が13.4%減少した。中国での昨年の販売台数は、メルセデス・ベンツグループが7%、ポルシェも28%、それぞれ減少した。

BMWは、中国での状況は引き続き厳しいものの、物価上昇率が安定し、緩やかな利下げが需要を後押しすることで、今年、自動車販売台数は若干増加すると見込んでいる。

原題:BMW Sees Tariffs, China Slump Weighing on Carmaking Profit (1)(抜粋)

もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp

©2025 Bloomberg L.P.