米上院銀行委員会は超党派でまとめたステーブルコイン規制法案について13日に採決を行う。

一方、下院共和党は、独自の法案について迅速な可決を目指している。ステーブルコインは法定通貨や金などを裏付けに発行される暗号資産(仮想通貨)。

上院銀行委のスコット委員長は10日遅くに修正案を公表した。同委員長によると、修正案は業界関係者との協議を経たもので、「消費者を保護し、全ての米国民に金融上の包摂を拡大する」内容だと表明した。

法案起草に関与した民主党のジルブランド上院議員は、修正案はリスク軽減や透明性などの点で改善されたと指摘した。ただ銀行委の民主党トップであるウォーレン上院議員は、この法案では消費者保護や金融安定性の確保、国家安全保障の面で不十分だと主張している。

ウォーレン議員スタッフによる法案分析によると、ハイテク大手やイーロン・マスク氏に加え、トランプ氏一族の中核企業トランプ・オーガニゼーションでさえ独自のステーブルコインを発行し、銀行と商業の分離の原則を揺るがしかねない。分析はブルームバーグ・ニュースが確認した。

ドルを裏付けとするステーブルコインの規制法案は、トランプ米大統領がこうした取り組みに支持を表明したことで機運が高まった。ホワイトハウスで先週開催された暗号資産サミットでトランプ氏は、ステーブルコインに規制上の確実性をもたらす法案に取り組む努力をたたえた。

ステーブルコインは既存の決済システムを打ち破り、より迅速かつ低コストでの取引が可能になるとの好意的な見方がある一方、連邦預金保険公社(FDIC)の保険など従来の銀行業務に備わるガードレールがなく、ステーブルコインが破綻した場合、利用者は取り残される恐れがある。その場合、米政府は多額の税金を投じる救済を求められる可能性もある。

原題:Stablecoin Bill Set to Advance in Senate After Trump Push (2)(抜粋)

--取材協力:stacy-marie ishmael.

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