7日の欧州債券市場は、数日続いた下落局面が一服した。ドイツ10年物国債の利回りは今週計40ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)以上上昇したが、一部の債券ストラテジストは市場に対してポジティブな見方をし始めている。

ドイツ10年債の利回りは7日、一時6.2bp下落し2.77%となった後、取引時間後半にはほとんど変化がなかった。2023年10月以来の高水準となった2.93%からは後退した。今週、ドイツ債利回りは東西ドイツ再統一時以来、最大の急騰を見せた。次期首相候補のメルツ氏が、防衛費支出の増加を含めた歴史的な公共支出拡大計画を発表したことで、政府の借り入れが増すとの見方が広がった。

ドイツ2年債利回りは2.24%とほぼ変わらず、30年債利回りは4bp上昇して3.11%となり、イールドカーブがスティープ化した。

市場では、欧州中央銀行(ECB)が7日の利下げに続き、4月にさらに25bpの緩和を行う可能性は50%以下とみられている。年末までさらに42bpの利下げが織り込まれている。

イギリス国債は小幅上昇。10年債利回りは2bp低下し、4.64%となった。

金利や米国の関税に関する不透明感から投資家が利益確定に動き、株式市場は反落した。

ストックス欧州600指数は、0.5%下落して取引を終え、週前半の上昇分を帳消しにした。週ベースの連騰は、先週までの10でストップした。鉱業、工業、高級品メーカーが下落を主導した。ただ、ブルームバーグ・ニュースがロシアがウクライナの一時停戦について協議する用意があることを報じた後、下げ幅は若干縮小した。

個別銘柄では、サブスクリプション事業の成長で、昨年10-12月期の売上高が予想を上回ったユニバーサル・ミュージックが6%以上上昇した。イタリア高級ブランド、サルヴァトーレ・フェラガモは、2024年通期決算で予想を上回る損失を計上した上、今後の需要についても慎重な見通しを示したことから、17%安と過去最大の落ち込みを記録した。中国の輸出データの不振が重しとなり、他の高級品メーカーも下落した。

3月7日の欧州マーケット概観(表はロンドン午後6時現在)

原題:European Stocks Slide on Tariff Jitters as Luxury Shares Retreat、Bunds Stabilize After Week’s Dramatic Rout: End-of-Day Curves(抜粋)

--取材協力:Michael Msika、Joe Easton、Julien Ponthus.

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