(ブルームバーグ):米銀ゴールドマン・サックス・グループではニューヨークからダラスやソルトレークシティーなどへの異動で、一部の行員に選択肢が与えられるが、多くの従業員には歓迎されない辞令となる可能性がある。
事情に詳しい関係者によると、ゴールドマンは非公式に「プロジェクト・ボヤージュ」と名付けられた取り組みの一環として、より多くの管理職を主要拠点以外の地域に送り込もうとしている。これは要請であると同時に「あなた方が必要とされるのはどこか他の場所であり、それはここではない」という最後通告かもしれない。
このプロジェクトの目的はコスト削減と人材の活用だ。主にミドルオフィスやバックオフィス業務に従事するジュニアクラスの従業員によって成長しているこれらのオフィスで、より多くの機能や役割を構築しようとしている。
ゴールドマンは2020年に初めて開いたインベスターデーで、一部の管理職を削減し、行員をより低コストの地域に異動させることで営業費を13億ドル(約1920億円)削減する計画を明らかにした。現在、同行はより一層、この取り組みに力を入れている。
ゴールドマン広報担当のアビー・コリンズ氏は、「当行は長期にわたり効果的かつ慎重に業務を遂行することに重点を置いている」と説明した。
デービッド・ソロモン最高経営責任者(CEO)は1月、戦略的な地域でゴールドマンの存在感を高め、行内の「ピラミッド構造を調整している」と述べた。
同行ではニューヨーク本店への人材配置が停滞している一方で、ダラスはすでに世界最大級の事業拠点へと成長している。
ゴールドマンの他の成長拠点には、英国のバーミンガム、ポーランドのワルシャワ、インドのベンガルール(旧バンガロール)などがある。こうした主要な金融センター以外の拠点には現在、ゴールドマン従業員の43%が勤務している。
同行の従業員数は昨年末時点で4万6500人。約半数が米州、次いで30%がアジアとなっている。
原題:Goldman Gives Managers a Choice: Dallas, Salt Lake City or Leave(抜粋)
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