(ブルームバーグ):欧州連合(EU)は6日、ドイツの働き掛けを受け、加盟国による防衛費増額を認めるため財政ルールの長期的改革に関する議論を開始することで合意した。
EU首脳らはブリュッセルで開かれた会議でEUの行政執行機関である欧州委員会に対し、財政規律を定めた「安定成長協定」の改革に向けたさらなる措置を検討するよう要請。防衛費の制限を一時的に停止する欧州委案を支持した。首脳会議締めくくりのテキストをブルームバーグが確認した。
数十年にわたりEUの政策は、自国および他の加盟国の公的借り入れの抑制を求めるドイツの主張によって形作られ、制約を受けてきた。しかし、ホワイトハウスに復帰したトランプ米大統領が、米国はもはや欧州の安全保障の主な保証人であるべきではないと主張したことを受け、ドイツでは今週、次期首相就任が確実視されるキリスト教民主同盟(CDU)のメルツ党首が軍変革に向けた大規模な支出計画を発表。財政規律に関する同国の姿勢が大きく変化した。
こうした背景から、EUはロシアによる侵攻の脅威に対抗するため、数兆ユーロに上る可能性のある追加防衛費の投入に取り組んでいる。欧州委は防衛支出を増やすために、安定成長協定に短期の免責条項の追加を提案しているが、欧州委の案では不十分だとドイツが5日に加盟国に伝えたことから幅広い議論に至ったと、ブルームバーグは先に報じている。
ドイツのショルツ首相は首脳会議到着に際し「長期的には、各国が望むだけの防衛費を投じられるようにしなければならない」と述べ、EUには「加盟国が防衛費について独自に決められるよう、長期的なルール変更」が必要だとの考えを示した。
EU各国の財務相らは10、11両日に会合を開き、規則緩和のための選択肢を議論する。論点の一つは、防衛費を増額するため柔軟に対応する期間で、ドイツ政府高官は、少なくとも10年間は必要だと述べている。
6日の首脳会議では、軍事支出を加速させるためのパッケージの一環として、加盟国による防衛関連生産の構築に低金利融資を供給する1500億ユーロ(約24兆円)の基金創設案も支持された。
原題:EU Backs German Push to Look at Easing Fiscal Rules for Defense(抜粋)
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