(ブルームバーグ):サイバーセキュリティーのスタートアップ、米サイバーリーズンのエリック・ガン最高経営責任者(CEO)が辞任した。出資を受けているソフトバンクグループやムニューシン元米財務長官との対立が続き、意思決定が滞り、資金繰り難に陥っていた。
カリフォルニア州ラホヤに本社を置くサイバーリーズンは、資金調達と損失抑制に取り組んでいるが、取締役会での意見対立を経てガン氏がCEOを辞めた。事情に詳しい関係者によると、シカゴを本拠とする同業のトラストウェーブ・ホールディングスとの合併計画も中止となった。
ガン氏は通信サービス会社ソフトバンクの元幹部で、同社による日本での通信インフラ構築に関与。同氏は先月、ムニューシン氏とソフトバンクグループの「ビジョン・ファンド」を相手取り、投資家らが自己利益を優先し、破産を回避するために必要な資金を調達しようとするガン氏の取り組みを妨害したと主張して訴訟を起こした。
ムニューシン氏とビジョン・ファンドは、ガン氏の言い分を否定している。
ガン氏は社内メールで「組織にとって最善の策ではなく、個人的な利害に基づいて重要な決定がなされるような企業を私はこれ以上率いることはできない」と従業員に伝えた。「少数株主と従業員、顧客が苦境に立たされるのを傍観することはできない」としている。
事情に詳しい別の関係者によれば、ガン氏の後任としてサイバーリーズンのマニッシュ・ナルラ最高財務責任者(CFO)が新たなCEOに指名された。週内にも発表があり得ると関係者は説明している。
ビジョン・ファンドとソフトバンク、トラストウェーブの担当者はコメントを控えた。ムニューシン氏の投資会社リバティの担当者はコメント要請に応じなかった。
原題:SoftBank-Backed Cybereason CEO Quits After Boardroom Turmoil (2)(抜粋)
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