(ブルームバーグ):ウォール街が相場の変動に見舞われているさなか、知名度の低い上場投資信託(ETF)企業が、レバレッジ型株式投資へのデイトレーダーの需要取り込みに動いている。
ニューヨークを本拠とするクオンティファイ・ファンズが、計10種のデリバティブ(金融派生商品)を利用するファンド上場の届け出を行った。
投資家が1ドル(約150円)投じるごとに、2銘柄に1ドルずつエクスポージャーを得る仕組みの商品で、さまざまな2銘柄を保有し、コインベース・グローバルなどの暗号資産(仮想通貨)関連企業や、メタ・プラットフォームズ、アマゾン・ドット・コムといったテクノロジー大手を投資対象に含んでいる。
1銘柄あるいは2銘柄に追随する投機的なETFが増えている。ETFを手がける企業は、競合商品との差別化を図りデイトレーダーにアピールしようとしている。
投機狙いの投資家が株高に乗ろうとする中、エヌビディアのような単一銘柄に連動するレバレッジ型ETFは昨年、数十億ドルを集めた。
気弱な人には向かない投資だ。関税や経済成長への懸念を受けた3日の株価下落時、多くのレバレッジ型ETFが大きな打撃を被った。エヌビディアに連動するレバレッジ型ETFは17%下落。ナスダック100指数の日次運用実績の3倍に連動することを目指すETFも6%余り下げた。
クオンティファイが届け出を実施したETFで、テスラとエヌビディアに投資する銘柄のティッカーは「MUSK(マスク)」。リスクを好み、テスラの最高経営責任者(CEO)であるイーロン・マスク氏を支持する個人投資家を引き込む意図が示されている。
クオンティファイの広報担当者は、届け出後の規制を理由に、新商品についてコメントを控えた。
原題:Wall Street’s Leveraged-Stock Boom Gathers Pace With ‘MUSK’ Fund(抜粋)
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