ソロス・ファンド・マネジメントの最高投資責任者(CIO)、ドーン・フィッツパトリック氏によれば、上場企業からプライベートエクイティー(PE、未公開株)に軸足を移した投資家は、リターンと流動性の面で「苦境」に立たされている。

同氏はニューヨークで4日開催された会議「ブルームバーグ・インベスト」で、こうした投資家は「数週間前まで活況を呈していた株式市場に大きく後れを取って」おり、「罪をあがない」、PE投資での利益不足を補うため、パブリック市場からの大きなリターンを必要としていると述べた。

フィッツパトリック氏は以前、ソロス・ファンドはPEへの割り当てを2021年に停止したと明らかにしていた。

同氏はトランプ大統領の関税政策について、消費者の信頼を損ねると予想。「コントロールできないのは消費者信頼感と企業景況感だ。そして、今まさにそれが急激に落ち込みつつあると思う」と話し、トランプ政権は最終的には何らの対応をせざるを得なくなるとの考えを示した。

「中国と米国の間では、経済的な必要性から戦術的な取引が行われる」との見通しも示した。

ドーン・フィッツパトリック氏が語る

トランプ政権のベッセント財務長官はかつてソロス・ファンドのCIOを務めていた。

フィッツパトリック氏はベッセント氏について、「財務長官としてこれまでで最も市場に精通した人物」であり、同氏が何かを言うときは「文字通りに受け止めるべきだ」と語った。

市場が今年3回の米利下げを織り込んでいることについては、「私はその反対に賭ける。なぜなら、繰り返しになるが市場参加者が当初想定していたより大きな痛みが伴うと思うからだ」と強調した。

原題:Soros CIO Fitzpatrick Says Private Investors in ‘World of Hurt’(抜粋)

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