(ブルームバーグ):セブン&アイ・ホールディングスは、赤字経営が続くイトーヨーカ堂など非中核事業を束ねるヨーク・ホールディングス株の大半を米投資ファンドのベインキャピタルに売却する方向で最終調整に入った。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。
6日に開くセブンの取締役会で決める方針だ。関係者の1人によると、買収額は7000億円超となる見通し。今後ヨークHD傘下のスーパー事業などは外部資本の下で立て直しを図り、その後は早期の新規株式公開(IPO)を目指す計画。
セブンはかねて、売却後もヨークHDの株式を一部保有し続けると説明していた。ただ関与は薄くなり営業収益の約8割を占めるコンビニ事業に注力できるようになる。セブンは社名も5月末の株主総会で「セブン-イレブン・コーポレーション(仮称)」に変更する予定だ。
セブンの広報担当者からは現時点でコメントを得られていない。ベインはコメントを控えた。
スーパー事業の中核をなすイトーヨーカ堂は2024年2月期まで4期連続で純損益が赤字で、過去にはアクティビスト(物言う株主)から切り離しを求められた。セブンは昨年4月に公表したアクションプランでスーパー事業が自立して成長できる体制の確立を目指すと表明。カナダのアリマンタシォン・クシュタールの買収提案後に、構造改革の一環として同10月にヨークHDを設立。スーパーの事業会社やロフト、ベビー用品を扱う赤ちゃん本舗など31社を移管し、出資を募っていた。
--取材協力:Lisa Du、吉田昂.
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