(ブルームバーグ):北大西洋条約機構(NATO)の東方防衛最前線、リトアニアの出版社が、バンス米副大統領の回顧録を書店から撤去する。戦争で疲弊したウクライナへの支援を停止するという米政府の決定を受けた措置だ。
出版社のソフォクリスは4日、バンス氏が執筆した「ヒルビリー・エレジー」のリトアニア語版について、「米国がウクライナに関する外交政策を変更するまで」販売を停止するとフェイスブックを通じ発表。同社は代わりにウクライナ人作家を支援し、ロシアの軍事侵攻に抵抗するウクライナに寄付をするよう読者に呼びかけた。
ベンチャーキャピタリストから政治家に転身したバンス氏は、米中西部アパラチア地方での自身の貧しい生い立ちを描いたこの著作で一躍有名になった。
今回の決定は、米国と他のNATO加盟国の溝が深まりつつある状況を浮き彫りにしている。トランプ米大統領がウクライナへの軍事支援停止を決定したことは、ロシアと国境を接し、ウクライナの強力な支援国でもあるリトアニアに衝撃を与えた。
欧州の親米国の一つとして長く知られたリトアニアでのこうした動きは、トランプ氏の対ロシア政策に対するバルト地域全体の失望を反映している。
リトアニア国会のスクバルネリス議長は同日、「残念ながら、この戦略的パートナーに頼るのが今後ますます難しくなるかもしれないという事実を認めざるを得ない」と述べていた。
原題:Lithuania Publisher Drops Vance Memoir to Protest Ukraine Policy(抜粋)
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