自民党の派閥の裏金事件の解明に向けて、衆議院・予算委員会は安倍派の会計責任者だった松本淳一郎氏への参考人聴取を行いました。焦点のキックバック再開の経緯についても、新たな事実が明らかになっています。

記者
「国会議員団が到着しました。これから参考人聴取が行われます」

けさ、都内のホテルで行われた安倍派の元会計責任者・松本氏の参考人聴取。衆議院・予算委員会の安住委員長や与野党の理事が出張し、質疑は非公開という異例の形で実施されました。

焦点となったのは、2022年に政治資金パーティー券のノルマ超過分のキックバックが再開された経緯でした。

安住淳 衆院予算委員長
「還流の再開を求めた“ある幹部”について質しました。(松本氏からは)『お名前の言及は差し控えます』『現職の議員ではありません』という返答がありました」

松本氏は、キックバック再開を要求した幹部は「現職議員ではない」ことを明らかに。キックバックをめぐる幹部会議に参加した議員は4人で、このうち現職でないのは、塩谷元文科大臣と下村元文科大臣の2人です。

きょうの聴取を受けて下村氏は、JNNの取材に対して。

下村元文科大臣
「私自身が再開を指示したことはない」

ただ、2022年7月ごろ、再開を求める安倍派内の声を松本氏に伝えたことも明らかにしました。

また、塩谷氏も先ほどコメントを発表。「私が説明してきたことと松本氏の発言が一致しており、整合性はとれている」としながらも、誰が再開を要求したかは言及しませんでした。

一方、国会では与野党の駆け引きが続いています。

「年収の壁」引き上げに向けた与党側との協議が不調に終わった国民民主。けさ、新年度予算案に反対する方針を確認しました。

国民民主党 榛葉賀津也 幹事長
「政府・与党の出した壁の動かし方があまりにもせこくて、これどうやって国民生活、強くしろっていうんですかね」

一方、この「年収の壁」をめぐり、与党と予算案に賛成する予定の日本維新の会の間に新たな問題が浮上しました。

日本維新の会 前原誠司 共同代表
「(自民・公明と)3党合意を結んだ時には、このことは話をされていません」

与党側はきょうの協議で3党が交わした合意文書に盛り込まれているとして、与党が国会に提出予定の「年収の壁」引き上げ案についても賛成するよう求めました。

これに対し、維新は党内で新たに議論する必要があるとして持ち帰りました。

与党側は来月初旬に衆議院で予算案を通過させることを目指していて、調整は大詰めを迎えています。