27日の債券相場は先物が下げ幅を拡大。財務省が実施した2年国債入札は市場予想に比べて弱めの結果になった。日本銀行の利上げ継続観測が根強い中、三村淳財務官の日銀政策に対する発言が相場の重しになっている。

大和証券の小野木啓子シニアJGBストラテジストは、きょうの相場下落は予想外だと述べ、米国金利が低下する中でも「三村財務官の発言が影響した可能性はある」と指摘した。2年債入札については応札倍率も低く弱めの結果で、「積極的に買う人がいなかったのではないか」との見方を示した。

2年債の入札結果によると、最低落札価格は99円93銭5厘と市場予想(99円94銭)を下回った。大きいと低調を示すテール(落札価格の最低と平均の差)は1銭3厘と前回6厘から拡大。投資家需要の強弱を反映する応札倍率は3.16倍と前回の4.06倍から低下し2023年11月以来の低水準だった。

三村財務官は26日、20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議の初日の討議後、日銀の政策に対する市場の見方と「齟齬(そご)はない」と述べた。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤原和也債券ストラテジストは、「政府は日銀の利上げをけん制しておらず、利上げしやすい環境にあるとの思惑にもつながりやすく、相場に多少マイナスとの受け止めもあるだろう」との見方を示した。

 

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