債券トレーダーが米国債の大幅値上がりを見込むポジションを構築し、景気減速リスクに備え始めている。

米国債は今週に入り相場が大きく上昇。利回りは25日に年初来の最低水準まで低下した。トランプ大統領による関税政策の圧力を米経済が受ける中でオプショントレーダーはポジションを変更。10年債利回りは1週間前に付けた4.57%から4.28%まで下げた。

BMOキャピタル・マーケッツの米金利戦略責任者イアン・リンジェン氏はリポートで、「世界経済のパフォーマンスにトランプ大統領の政策が及ぼす影響について懸念が拡大し続けており、リスク回避の傾向」が見られると指摘した。

ベッセント米財務長官がトランプ氏の政策により米10年債利回りは「自然に」低下するはずだと25日に述べたことも、米国債への強気姿勢を促した。

25日午前には、10年債利回りが4.15%以下に低下すると見込むポジションも出てきた。ブルームバーグの推計によると、こうしたポジションに約6000万ドル(約89億円)が投じられており、利回りが4%まで低下すれば4000万ドル程度の利益確保につながる可能性がある。

JPモルガンの顧客調査によれば、24日までの1週間で米国債ロングポジションは3ポイント上昇。顧客のネットロングは1月以来の高水準まで積み上がった。一方、ショートポジションは1ポイント、中立ポジションは2ポイントそれぞれ低下している。

原題:Traders Bet Big on Bond Rally as Tariff Growth Shock Looms(抜粋)

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