米テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)の純資産は25日、222億ドル(約3兆3000億円)目減りした。同氏資産の1日の減少幅としては過去4番目の大きさとなった。米国の関税の可能性や連邦政府のコスト削減の取り組みに対する懐疑的な見方から、株式相場が下落したことが響いた。

テスラの欧州での販売台数が1月にほぼ半減したことを受け、特にマスク氏の資産の半分余りを占める同社株が大きな打撃を受けた。マスク氏が米国の政治に関与していることで、同氏の欧州での人気は急低下している。テスラ株は25日に8.4%下落し、時価総額は昨年11月7日以来初めて1兆ドルの大台を割り込んだ。

連邦予算削減や関税などトランプ政権の目玉政策は、同氏が選挙戦で公約したような株高につながっていない。S&P500種株価指数はここ4営業日で3.1%下落し、テスラを含むハイテク大手7社で構成するブルームバーグ・マグニフィセント・セブン指数は調整局面入りした。マスク氏は「政府効率化省(DOGE)」を通じて政府支出削減の取り組みを主導している。

テスラのショールームでマスク氏の言動に抗議するデモ参加者(ニューヨーク)

ただ、マスク氏の純資産は25日に3580億ドルに減少したものの、ブルームバーグ・ビリオネア指数に基づくと、昨年11月のトランプ氏当選前の水準をなお約1000億ドル上回っている。

マスク氏の純資産は昨年12月17日に4864億ドルと過去最高を記録。自身が率いる未公開企業の記録的な規模の資金調達ラウンドや、テスラ株急伸が寄与していた。

原題:Musk’s Net Worth Drops $22 Billion as DOGE Drives Market Unease(抜粋)

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