(ブルームバーグ):先週は円に強気のポジションが試練にさらされたが、ヘッジファンドは今後数カ月にわたり円が主要通貨に対して上昇すると見込む取引を再開している。
政治や経済を巡る出来事に起因する市場の変動から利益を得ようとする、いわゆるマクロヘッジファンドは、今週も引き続きドル、ユーロ、スイス・フランなど、さまざまな通貨に対する円コールオプションを購入している。トレーダーらが明らかにした。
シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループのオプション注文書におけるドルに対する円コールオプションは香港時間午前10時47分時点で、プットオプションの7倍だった。
20日に米証券保管振替機関(DTCC)で行われた想定元本2億ドル(約300億円)以上のドル・円オプション取引は全て、権利行使価格が1ドル=150円以下だった。
円は21日、日本銀行の植田和男総裁の国債利回りに関する発言で1ドル=150円40銭付近まで下落したが、それでも週初に比べ1%以上上昇している。
ノムラ・シンガポールの上級FXスポットトレーダー、グラハム・スモールショー氏は「マクロファンドはドルが14日に200日移動平均の約152円75銭を再び割り込んだことで、再びドル・円のショートに足を踏み入れたが、その規模は以前に比べはるかに小さい」と述べた。他の通貨に対して円を買う動きも見られると付け加えた。
今週の日銀からの発言で、トレーダーは今年さらに金利が上昇するという期待に再び目を向け始めた。高田創審議委員は19日、前向きな企業行動の持続性が確認されて経済・物価見通しが実現していけば、利上げで「一段のギアシフトを進める局面」にあるとの見解を示した。
バンク・オブ・アメリカ(BofA)のアジア太平洋G10為替取引責任者、イワン・スタメノビッチ氏によると、20日のアジア市場では「ドル・円と円クロスの両方で、円高ポジションへの急激な転換が見られた」という。「当面は、円コールの建玉の大半は戦術的かつ短期間のものだ」と付け加えた。
1月の日本のインフレ率は2年ぶり高水準となり、今年さらに利上げを行う根拠を日銀に提供した。スワップ市場は、日銀が7月末までにさらに25ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の利上げを行う確率84%程度を織り込んでいる。9月までに追加利上げが行われる確率は100%となっている。
先週は、米国のインフレ高水準を示すデータやウクライナ紛争の終結に向けた合意への観測で、円は圧迫された。円は対ユーロで一時3%、対ドルで2%余り下落した。
「先週は、12日に1ドル=154円80銭へのスクイーズがあり、円高を見込む取引は試された。多くのドル・円およびクロス・円のショートがこの動きで消滅した」とスモールショー氏は話した。
ドル・円相場の下落が続くことを見込む取引に加え、スイス・フラン高のポジション解消につながる可能性のあるウクライナ危機の解決を想定し、フラン・円の下落を見込むより長期のオプション取引も好まれていると同氏は述べた。
原題:Hedge Funds Reload Option Trades for Yen Gains in Coming Months(抜粋)
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