(ブルームバーグ):半導体材料大手のレゾナック・ホールディングスの高橋秀仁社長は、昨年非上場化した同業のJSRが将来的に新規株式公開(IPO)することを想定し、JSRの買収も含めた連携にあらためて強い意欲を示した。
JSRは政府系ファンドの産業革新投資機構(JIC)が約9000億円で買収。昨年6月に株式公開買い付け(TOB)により非上場化した。JICは将来的にはIPOを目指している。高橋氏は都内での19日のインタビューで、「出口でミーニングフルなパートナーシップを組めるのはうちしかないと思っている」と力を込め、その時に備えてどういう枠組みでの連携が可能になるのか、「そろそろ頭の体操を始める時期にきた」と述べた。
高橋氏は2023年末のインタビューでもJSRとの連携を通して国内でも「売り上げで1兆円を超えるような半導体だけの会社ができるべき」と述べていた。レゾナックHD株は報道後に下げ幅を拡大し、一時前日比2.2%安の3622円を付けた。

レゾナックHDは半導体パッケージ基板向け銅張積層板や絶縁接着フィルムなど後工程材料で世界シェアトップの製品を複数抱える。一方、JSRはレゾナックHDが持っていないフォトレジストで世界シェアトップクラスを維持しており、日本で強者連合を形成することで米デュポンのような海外勢にも真っ向から対抗していきたい考えだ。
高橋氏はJSRに対する投資余力について明言を避けたものの、「投資家にきちんと説明できる金額ならば、いろいろな方法を考えてやってみたい」とした。
レゾナックHDは前身となる昭和電工時代の20年に日立化成(当時)を約9600億円で買収、半導体材料事業をてこ入れしている。足元では今後需要の拡大が見込まれる人工知能(AI)半導体向け製品が好調で、前期(24年12月期)の営業利益は787億円と前の期の38億円の赤字から黒字転換した。
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