日産自動車の信用リスクを表すクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)が拡大し、今年初めて日本企業で最大となった。ホンダと共同持ち株会社を設立する交渉が破談になり、これまで上位だった楽天グループとソフトバンクグループを逆転した。

ブルームバーグのデータによると、日産のCDSは17日に約216ベーシスポイント(bp)と昨年12月以来の水準に拡大した。一方、ソフトバンクGは約210bp、楽天Gは約201bpにそれぞれ前営業日から縮小した。

 

日産が国内CDSランキングで首位になったのは、楽天Gのモバイル事業が改善したことに加え、米国での人工知能(AI)投資計画で外部資金を主に活用することが伝わったソフトバンクGの財務懸念が和らいだことも影響している。日産を巡っては今後、単独再建に対する不透明感や新たなパートナーの出現などクレジットスプレッドには不安定な材料が続く可能性がある。

日産とホンダは13日、経営統合の協議を打ち切ると発表した。破談を受け、格付投資情報センター(R&I)は日産の格付けを「A-」に「A」から引き下げた。

日本格付研究所(JCR)は18日、日産の格付けを「A」から「A-」に引き下げたと発表した。見通しは「安定的」。主要市場の米国や中国での販売不振が続き、リストラも途上であることから収益力の大幅改善には時間を要する可能性が高いと判断した。

 

(5段落にJCRの格下げについて追記しました)

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