(ブルームバーグ):JPモルガン・アセット・マネジメントは13日、複数の資産で構成されるマルチアセット型上場投資信託(ETF)の取引を開始した。
アクティブ運用の「JPモルガン・フレキシブル・インカムETF」(証券コード JFLI)は、同社にとってマルチアセット型ETFへの初の進出となる。発表資料によれば、同ETFのポートフォリオは株式約75%、債券25%で構成される。
JPモルガンはマルチアセット型ETFが5000億ドル(約76兆4900億円)規模の機会をもたらすと見込んでいる。ただ、こうした戦略はETF市場での普及に苦戦してきた。 ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)のデータによると、マルチアセット型ETFの規模は約500億ドルと、株式ETFの12兆ドル超、債券ETFの約2兆6000億ドルを下回る。
ファイナンシャルアドバイザー(FA)はこれまで、単一の資産で構成されるさまざまなファンドを自ら組み合わせることを好む傾向にあった。また、従来は株式の損失を相殺するために債券が利用されてきたため、株式と債券の相関関係が長期にわたりプラスとなっていることも、オールインワン型ファンドの利点が薄れる要因となっていた。

2024年の数カ月間を除いて、米国株ETF「SPDR・S&P500ETFトラスト」(SPY)と米債券ETF「iシェアーズ・コア米国総合債券市場ETF」(AGG)は23年半ば以降、21日ベースでプラスの相関関係にある。しかし、JPモルガンはこうした状況が変化すると予想している。
JPモルガン・アセットのポートフォリオマネジャー、マイケル・ショーンハウト氏は電子メールで「22年に株式と債券のリターンの相関がプラスだったことは、分散投資のメリットをもたらさず、マルチアセット投資家にとって課題となっていた」とした上で、「しかし現在は、インフレ懸念が後退したことで、株式と債券の相関はマイナスに戻るか、少なくともゼロ近くになると予想している」と指摘した。
原題:JPMorgan’s First All-In-One ETF Faces a Historically Tough Crowd(抜粋)
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