中華圏でのタピオカティー人気が、また新たな億万長者を生み出した。

ブルームバーグ・ビリオネア指数によると、古茗控股が香港で2億3300万ドル(約360億円)規模の新規株式公開(IPO)を実施し、創業者の王雲安氏が保有する同社株の価値が11億ドルに達した。

上場初日の12日は株価が一時4.6%上昇したが、IPO価格より6.4%安い9.30香港ドルで引けた。

「グッドミー」ブランドのタピオカティーショップ(重慶)

王氏は、中華圏で「珍珠奶茶」と呼ばれるタピオカミルクティーの需要の高まりがここ数年に生み出した資産家の1人となった。

タピオカティーの市場は2018年には96億ドル規模だったが、今後3年で710億ドルまで膨れ上がると予測されている。しかし、投資家は価格競争が厳しいこの市場に警戒感を強めている。

中国のタピオカティーメーカー、四川百茶百道実業(通称、茶百道)は昨年4月に香港で上場。創業者夫妻の純資産は上場時に合計約27億ドルとなったが、株価はその後ほぼ半分になった。

それでも、王氏とそのライバルたちは、既に数千店ある店舗数をさらに増やし続けるため資金調達を模索し続けている。

王雲安氏

ゴールドマン・サックス・グループとUBSグループが主導する引受金融機関と王氏は、独自の戦略により「Good me(グッドミー)」ブランドでタピオカティーを販売する古茗が投資家の関心を集めると見込んでいる。

他の企業が北京や上海などの大都市に店舗を展開する一方、古茗はタピオカティーがまだあまり出回っていない小規模な都市や町をターゲットにしているという。

IPO目論見書が引用した調査によれば、グッドミーは23年末までに総売上高と店舗数で出来たてのタピオカティーを提供するメーカーの中で2番目に大きなブランドに成長。同時点の市場シェアは9.1%だった。トップは「蜜雪」の20%。

原題:Hong Kong’s Latest Bubble Tea IPO Mints Another Billionaire (2)(抜粋)

--取材協力:Dong Lyu、Dave Sebastian、Pui Gwen Yeung、Kevin Dharmawan.

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