(ブルームバーグ):楽天銀行は12日、今期(2025年3月期)の連結純利益を489億円に上方修正すると発表した。従来予想は462億円。日本銀行の利上げを受けて、貸し出しによる収益拡大などが寄与する。
今期業績の上方修正は2度目となる。同時に発表した2024年10-12月期(第3四半期)の連結純利益は前年同期比45%増の1304億円だった。
24年4-12月期累計の純利益は前年同期比40%増の352億円。日銀の利上げにより、金利収益が増加した。経常利益は同40%増の495億円。前年同期と比べて142億円の増益となったが、そのうち77億円が利上げ効果だった。経常利益、純利益とも同期として過去最高益となった。
24年12月末時点の口座数は1年前と比べて12%増の1648万口座で、預金残高は同17%増の12兆円に伸びた。決算会見で永井啓之社長は「利便性が浸透し、口座数の伸びを上回るメイン口座の伸びを実現できている」と指摘した。
メイン口座は口座振替や給与受取口座として使用されている口座で、1口座当たりの収益が高いため同行ではメイン口座数の伸びを重視している。
調達した預金の使途に関連して、永井社長は日銀に預けている資金の一部を、より高い利息を得るために有価証券投資に回していると説明。法人融資が一定規模に育つまでは一般企業が発行する社債に投資したいとの考えを示した。
一方、住宅ローンについては「現在の過当な金利競争とは少し距離を置いている」と述べた。「低金利で住宅ローンを貸すと、金利が上がっていく中でデフォルトが増える」とし、高所得者を対象に貸出先を絞っていると説明した。
(最終段落に住宅ローンに関する記述を追加します)
もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
©2025 Bloomberg L.P.