(ブルームバーグ):米大統領選後に急伸した米電気自動車(EV)メーカー、テスラの株価が急速に下げる中で、取引の好機を見いだしている市場関係者がいる。
そのシナリオはシンプルだ。テスラの株価は最近大きく下げたものの、予想株価収益率(PER)は109倍と、大型ハイテク株としてなおかなり割高な水準にあり、一段の下落余地が示唆されている。
テスラの株価はEV事業のファンダメンタルズからも乖離(かいり)している。
第2次トランプ政権発足と政権入りしたテスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)の政治的影響力の高まりによって、完全自動運転車の開発を目指す同社の野心的な計画が実現しやすくなるとの期待からテスラ株は買われていた。
テスラの株価は昨年12月中旬に記録した上場来高値から32%下落し、その間に時価総額は約4840億ドル(約74兆円)縮小した。

トールバッケン・キャピタル・アドバイザーズのマイケル・パーブスCEOにとって、これはテスラのプットオプション(売る権利)のスプレッド関連取引に動くシグナルだ。
今月にはインプライドボラティリティー(予想変動率、IV)が、ここ1年間の取引レンジ下限まで低下し、オプションによるプロテクションの価格が下がった。
パーブス氏は株式市場が売り優勢の展開となった場合、テスラのようにモメンタムとセンチメントに左右される銘柄は激しく売り込まれるとの見方を示した上で、こうしたオプション取引が「市場でヘッジのような機能を果たす可能性もあるだろう」と指摘した。
原題:Tesla Unwind Gives Options Traders a Way to Hedge Market Selloff(抜粋)
--取材協力:David Marino、Cristin Flanagan.
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