台湾の鴻海精密工業は日産自動車との提携に必要であれば、仏ルノーが保有する日産株を買い取ることを検討し得ると、鴻海の劉揚偉会長が台北で12日語った。

ルノーからの日産株購入はゴールではなく協力だと説明し、鴻海がホンダおよび日産と会合を持ったことを明らかにした。日産とホンダは共同持ち株会社設立交渉が暗礁に乗り上げているとみられ、劉会長の発言は日産に新たな活路をもたらす可能性がある。

劉会長は日産との経営統合の可能性について聞かれると、「鴻海の視点ではこれは合併案件ではなく、提携案件だ」と述べた。「われわれはどのように日本の自動車メーカーと提携できるのか。われわれは多くの企業と会談し、日産とホンダもそのうちの2社だ」とも話した。

劉会長の発言を受けて、日産の株価は同日午後の取引で下げ幅を拡大し、一時前営業日比8.9%安の403.2円となった。ホンダ株も下落しており、一時同2.2%安の1392円を付けた。

日産の広報担当、永井志朗氏は劉氏の発言に関する報道については認識しているが、内容についてのコメントは控えるとした。ホンダの広報担当者は鴻海との会合について、自社が発表したものではないとし、コメントを控えた。

台湾の鴻海本社

大和証券の細井秀司シニアストラテジストは、鴻海による再建となれば日産は車両組立メーカーに成り下がる可能性があり、会社としての存続はできるものの日産にとってプラスとは限らないと、報道後の同社株の下落について見解を示した。

足下の日産の時価総額は約1兆5000億円でブルームバーグのデータによると、そのうちルノー保有分は35.71%。一方、鴻海の時価総額は2兆5000億台湾ドル(約11兆5000億円)となっている。

ホンダと日産は昨年12月に共同持ち株会社を設立する計画を公表。統合準備委員会で協議を進めてきたが、出資比率などで折り合いがつかず破談となる可能性が高まっている。一方、米国や中国市場の不振で悪化した業績立て直しを進める日産にとっては新たな資金の確保が急務となっており、他の協業先の検討にも着手。米国や情報通信(IT)関連の分野の企業なども有力な候補になり得ると考えているなどと報じられていた。

(日産、ホンダのコメントを追加して更新します)

--取材協力:横山桃花.

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