人工知能(AI)に対する関心は米ハイテク大手だけでなく幅広い企業が示しており、S&P500種株価指数の構成企業に対するアナリストの利益見通しも上向いている。

米モルガン・スタンレーのストラテジスト、マイケル・ウィルソン氏によれば、10-12月(第4四半期)決算発表に伴う各社の電話会見で、AI導入に関する言及は過去最多だった。ソフトウェア企業による言及が最も多かったが、金融やメディア、エンターテイメント企業からの言及も目立った。

ウィルソン氏は、ソフトウェアや金融だけでなくホテルやレストランといった消費者向けサービス企業に対する楽観的な見方は、AIがもたらす生産性の向上という「重要な構造的な要因」が背景にあると指摘した。

AIを巡る熱狂は過去2年間にわたりS&P500を毎年20%余り押し上げてきた。しかしその上昇分の多くは「マグニフィセント・セブン」と呼ばれる一部の銘柄に集中していた。

マグニフィセント・セブンを構成するのはアルファベット、アマゾン・ドット・コム、アップル、メタ・プラットフォームズ、マイクロソフト、テスラ、エヌビディアの7社。2023、24年に良好な増益となったが、アナリストは今後数四半期でS&P500種の他の企業も後に続くと予想している。

ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)がまとめたデータによると、マグニフィセント・セブンの増益率は第4四半期に30%未満と、前年同期時のピークの57%から鈍化が予想されている。一方で、残りの銘柄いわゆるS&P493の利益は1-3月期に8.5%増と、前年同期の1.7%減から大きく上向いたとみられている。

ゴールドマン・サックス・グループのストラテジスト、デービッド・コスティン氏は、「『マグニフィセント7』とS&P493との増益率やリターンの差は(2025年に)縮小するだろう」とリポートで述べた。

コスティン氏によれば、1株当たり利益ベースではマグニフィセント7と他の493社の差は第4四半期に19ポイントまで縮小し、23年初め以来の小幅となった。コンセンサス予想では、今年さらに6ポイントに縮小し、26年には4ポイントまでの縮小が見込まれているという。

原題:AI Is Major Earnings Focus for US Corporates Far Beyond Big Tech

(抜粋)

--取材協力:Jess Menton.

もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp

©2025 Bloomberg L.P.