アジアのファンドマネジャーは、トランプ米大統領の関税発動や方針転換などのニュースで市場が動く環境で、いかに打撃を回避するか手腕を問われている。

トランプ氏は大統領就任後3週間でカナダやメキシコ、中国などさまざまな国・地域を対象にした政策を発表。米国債から原油やビットコインまで金融資産の乱高下を招いている。長期のファンダメンタルズに基づく投資判断は、機能しにくくなっている。

アジアの投資家は市場のボラティリティー(変動性)に対応するため、世界的な貿易摩擦の高まりから比較的打撃を受けにくい資産を求めている。具体的には、中国の新興企業DeepSeek(ディープシーク)関連の隠れた有望銘柄や、シンガポールやオーストラリアの高利回り株、国内市場が拡大する国・地域、インド国債などだ。

アバディーンの大中華圏マルチアセット・インベストメント・ソリューションズ責任者ルイス・ルオ氏(香港在勤)は、トランプ政権2期目に向けた戦略は一段と高いボラティリティーに備えることだと説明。「投資家は足元でグロスリスクを2024年よりも低く抑えるべきだ」と語った。

トランプ氏の関税関連のニュースへのリスクを減らす投資先の一つが、ディープシークの人工知能(AI)モデルに関連する中国のテクノロジー企業だ。

香港市場に上場する中国テクノロジー企業の指数は、ディープシークのAIモデルを材料に7日、テクニカル面で強気相場に入った。

シンガポールのDBS銀行のシニア投資ストラテジスト、ジョアン・ゴー氏はここ数年中国株のトレードの難しさが示されてきたが隠れた有望株が多数あると指摘。「ディープシーク要因で、中国の技術力に再び注目が高まる」と話した。

原題:Trump-Driven Volatility Sends Asian Funds Searching for Shelter(抜粋)

--取材協力:Chiranjivi Chakraborty、Joanne Wong、Abhishek Vishnoi、Catherine Bosley.

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