投資家は人工知能(AI)ブームを支える米国のデータセンターに注目しており、2025年に予定されている一握りの新規株式公開(IPO)がその投資意欲を満たすことになりそうだ。

AI分野で最も注目されているスタートアップの1社、クラウドコンピューティングプロバイダーのコアウィーブは今年早い時期にIPOを実施し、230億ドル(約3兆5000億円)強の価値評価を見込んでいる。同社は24年末時点で世界28のデータセンターを運営しており、エヌビディアやシスコシステムズなどの大手テクノロジー企業から支援を受けている。

ドイツのフランクフルト市場に上場しているノーザン・データは、AIとデータセンター事業の統合部門を米市場に上場させることを検討中だ。

ブルームバーグによると、中国のデータセンター運営会社の有孚も米国でのIPOを模索しており、ロイター通信の報道ではラスベガスに本拠を置くスイッチも同様だという。

AIへの関心の高まりは、データセンターへの支出が急増し、オープンAIの対話型AI「ChatGPT(チャットGPT)」やアンソロピックの「Claude(クロード)」などのプログラム開発を促進するきっかけとなった。

データセンターへの主要投資家の一角を占めるブラックストーンは、米国の同部門に今後5年で1兆ドル余りが投じられると予測。アポロ・グローバル・マネジメントは、同じ期間に世界全体で2兆ドルを超える好機を見込む。

米政府の支援も強気の見方を後押ししている。トランプ大統領は米テクノロジー大手数社が参加する合弁事業「スターゲート」を発表し、各社は今後4年で計5000億ドルをAIインフラに投じる計画を明らかにした。

外国からも資金が流入しており、アラブ首長国連邦(UAE)ドバイ首長国に本拠を置く資産家フセイン・サジワニ氏は、米国のデータセンターに200億ドルを投資する計画だ。

原題:Investors Eye Data Center IPOs to Ride AI Infrastructure Boom(抜粋)

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