(ブルームバーグ):日産自動車の株価が午後の取引で上げ幅を拡大、約1カ月ぶりの日中高値を付けた。台湾の鴻海精密工業の劉揚偉会長が日産との協力を模索しているなどとする台湾の中央通信社(CNA)の報道を好感したようだ。
CNAは劉会長が日産との協力を模索しており、日産出身で現在鴻海で電気自動車部門の幹部を務める関潤氏に対し、日産の筆頭株主であるルノーと株式売却の可能性で接触を図るよう指示したと、事情に詳しい匿名の関係者を引用して報じた。
関氏は1月下旬からの春節(旧正月)連休中に日産幹部への働き掛けに取り組んだという。続伸していた日産の株価は報道を受けて上昇幅を拡大、一時前日比7.5%高の446.4円と1月14日以来の日中高値を付けた。
鴻海は業績が悪化している日産の経営権取得に向けて出資する意向を伝えた。その後、日産が昨年12月にホンダと共同持ち株会社を設立する計画を公表。鴻海としては両社の交渉が続く限り、株式取得の関心を保留する意向を示していた。
日産とホンダは出資比率などで折り合いがつかず、日産は5日の取締役会でホンダとの交渉を打ち切る方針を確認。計画が破談になる可能性が高まっており、鴻海の動向に注目が集まっていた。
武藤容治経産相は7日の閣議後会見で、ホンダと日産の協議の動向については注視をしているが、正式な決定は聞いていないと説明。両社を巡る報道について政府としてコメントは差し控えるとしたが、個人の意見として、日本の競争力強化などに向けて、どのような形になるかわからないが、協業については前向きに考えてほしいと述べた。
(経産相のコメントを追加して更新します)
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