(ブルームバーグ):2月第2週(10-14日)の債券相場は、長期金利の低下(価格は上昇)が予想されている。日本銀行の追加利上げ観測の高まりで利回りが大きく上昇したことで、利上げの織り込みは一服するとの見方が出ている。
市場参加者の見方
◎東海東京証券の佐野一彦チーフ債券ストラテジスト
- 円安是正で日銀が利上げをしやすくなった状況下、どこまで利回り上昇を許容するかの問題
- 半年に1回の利上げを想定した場合に2年債は0.875%程度で、5年債は1%で買い安心感があり、20年債は2%ではね返されやすいことを考えると、現状はかなり利上げを織り込んでいる
- 来週の金利はそれほど大きくは上昇せず、低下して終わるだろう
- 利上げ観測で上がりやすい短中期金利と、フラットニング(平たん化)で需給が良い超長期金利に挟まれた10年金利は、1.3%台で持続的に上昇することはないだろう
- 新発10年国債利回りの予想レンジは1.255-1.305%
◎ 三井住友トラスト・アセットマネジメントの稲留克俊シニアストラテジスト
- 日銀の利上げ観測は極まった感があり、来週は落ち着くとみている。ただ、米国の長期金利の反発が予想され、上値の重い相場が続くだろう
- 米連邦準備制度理事会(FRB)高官から利下げに慎重な発言が目立ち、パウエル議長は議会証言で利下げを急いでいない姿勢を示すのではないか
- 5年債入札は利回り水準が十二分に高く、カーブ上の相対価値もまずまずで、預金取扱金融機関の押し目買いが入って無難に通過するだろう
- 新発10年国債利回りの予想レンジは1.25-1.32%
国債入札
日銀買い入れ
主な材料
- 10日:中国が米国に対する報復関税を発動
- 11日:パウエルFRB議長の議会証言(上院)
- 12日:FRB議長の議会証言(下院)、1月の米消費者物価指数(CPI)
- 13日:1月の米生産者物価指数(PPI)
- 14日:1月の米小売売上高、ミュンヘン安全保障会議(トランプ米政権がウクライナ戦争終結計画を発表との報道)
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