(ブルームバーグ):日本銀行審議委員に小枝淳子早稲田大学教授を充てる国会同意人事案は承認される公算となった。国民民主党幹部が賛成する方針を示したため、与党が過半数割れしている衆院での可決にめどが立った。
同党の浜口誠政調会長が7日、記者団に明らかにした。賛成する理由として、小枝氏就任により、政策委員会は中川順子審議委員と合わせて女性2人になることから、「幅広い意見が議論されることは非常に望ましい」と述べた。
小枝氏は3月25日に任期満了を迎える安達誠司審議委員の後任候補として政府が与野党に提示した。金融政策などの議決権を有する政策委員の人事は、衆参両院それぞれの同意が必要となる。衆院で自民、公明の与党が過半数を下回る中、野党の対応が焦点となっていた。国民が賛成に回ることで過半数を確保できる。
7日開かれた衆院議院運営委員会理事会で、人事案を14日の本会議で採決することを確認した。国民は総裁・副総裁だけでなく、審議委員候補からも国会で意見を聴取する機会を設けるべきだと求めていたが、今後の検討課題とされた。同委の浜田靖一委員長(自民)が記者団に説明した。
これに対し、国民の浜口氏は審議委員にも所信聴取を求めるという課題意識は、同党として国会内で引き続き主張していくと記者団に語った。
衆院では3党から造反する議員がいない限り、人事案は可決される見通しだ。参院では与党が過半数を占めている。
小枝氏は1999年に東大経済学部を卒業後、2005年にカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)経済学研究科で博士号を取得。国際通貨基金(IMF)のエコノミスト、東大経済学部経済学研究科の特任講師、早大政治経済学術院准教授や財務省財務総合政策研究所の総括主任研究官などを務めた。
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