7日の東京株式相場は下落。外国為替市場で円が一時1ドル=150円台後半と2カ月ぶりの高値を付けたため、業績の先行き懸念から輸送用機器や精密機器など輸出関連株が安い。決算内容に基づく選別色も鮮明で、今期業績計画の上方修正を見送った東京エレクトロンも下げている。

米国の金融政策に影響を及ぼす雇用統計の発表や日米首脳会談を控えている事情から、投資家は積極的な買いを入れにくい面もある。

半面、取引開始前に発表された2024年12月の実質消費支出は前年同月比2.7%増と市場予想を大きく上回った。倉庫・運輸や小売り、建設など内需セクターの一部は堅調に推移。市場予想を上回る第1四半期決算を発表した回転ずしチェーン「スシロー」を展開するFOOD&LIFE COMPANIESは急騰している。

TOPIXを構成する1696銘柄中、上昇は1062、下落は574。売買代金上位では東エレクのほか、IHIやトヨタ自動車、TOWA、ダイキン工業、NTTデータグループが安い半面、メルカリや日本製鉄、花王は高い。

三井住友トラスト・アセットマネジメントの上野裕之チーフストラテジストは、1ドル=150円に迫る円高は現状の企業業績にとって問題はないが、これ以上の円高は輸出企業にとって重荷になる可能性があると話している。また、日米首脳会談は大きなイベントで、日本経済を考える上で重要だとも述べた。

インサイト

  • 東証33業種中、19業種が下落、下落率上位は精密機器、輸送用機器、不動産、卸売業、電気・ガス、医薬品、情報・通信、銀行など。上昇率上位は金属製品や空運、倉庫・運輸、小売業など
  • MSCIアジア太平洋指数は0.1%高

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