国民民主党は6日、日本銀行審議委員の人事について、衆参両院の議院運営委員会での所信聴取・質疑を求める方針を固めた。国会対策委員長を通じて他党に呼びかける。

玉木雄一郎代表(役職停止中)が記者団に明らかにした。政府が各党に提示した小枝淳子早稲田大学教授を充てる国会同意人事案への賛否は決定していない。玉木氏は「少数与党になっており、金融政策の節目でもあるので、審議委員とはいえ意見をよく聞いて総裁・副総裁と同様に意見聴取してから賛否を決めるプロセスが大事だ」と述べた。

金融政策を決定する日銀政策委員会メンバー9人の任命には衆参両院の同意が必要だ。衆院で与党が過半数を下回る中、野党の対応が焦点となっている。総裁・副総裁候補は議運委での所信聴取・質疑を行っているが、審議委員候補は対象外だった。日銀が金融政策の正常化に向かう局面で、同党としては審議委員についても直接、考え方を確認して賛否を判断したいとの意向を示したものとみられる。

政府は3月25日に任期満了を迎える安達誠司審議委員の後任候補として小枝氏を充てる国会同意人事案を先月28日に提示した。ただ、同時に提示した人事案のうち、以前から対象だった会計検査院の検査官候補への所信聴取・質疑は衆参議運委で4日に実施済み。今国会では6月30日に任期満了を迎える中村豊明審議委員の後任人事案も提示される見通しだ。

小枝氏は1999年に東大経済学部を卒業後、2005年にカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)経済学研究科で博士号を取得。国際通貨基金(IMF)のエコノミスト、東大経済学部経済学研究科の特任講師、早大政治経済学術院准教授や財務省財務総合政策研究所の総括主任研究官などを務めた。

もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp

©2025 Bloomberg L.P.