日本が強いところで勝負できる土台が整った

「みなさん生成AI“だけ”を見過ぎだと思います。AIには分野がたくさんある。人間にできることを何でもAIにやらせるのが研究者の夢ですが、実際には洗濯物も畳めないし、コーヒーも入れられない」

「仮に生成AIのGPUなどの計算資源が少なく済むようになったとしても、洗濯物を畳むなどの肉体労働や、また科学的発見をするAIにGPUはおそらくかなり必要で、余力がそちらに回るだけだと思います」

今井さんは日本にとってのチャンスも指摘します。「DeepSeekは開発のやり方を公開したので、日本はそれを真似してランキング入りするAIを開発することもできる」

「また日本は“本体”の開発より、その周辺のサービスや、アプリケーションの分野での作り込み、職人的こだわりの部分が強い。ただ今までは作り込む人をベースとなるAI自体がそもそも開発できず、強みを発揮しようがなかった」

DeepSeekというオープンに参照できるAIの登場で「日本にとっては強いところで勝負できる土台が整った。これから躍進があるんじゃないかと個人的には非常に期待しています」

(※情報提供:AI研究者、『生成AIで世界はこう変わる』著者、今井翔太)

(TBS CROSS DIG with Bloomberg 「WORLD DECODER」1月31日配信より)