(ブルームバーグ):米最大の暗号資産(仮想通貨)交換業者コインベース・グローバルは米国の銀行規制当局に対し、銀行が仮想通貨のカストディー(保管・管理)や取引執行サービスを提供できるようにするとともに、コインベースのような企業と提携する道を開くため、立場を明確化または修正するよう要請している。
ブルームバーグが確認した通貨監督庁(OCC)と連邦準備制度理事会(FRB)、連邦預金保険公社(FDIC)に送付された書簡によれば、コインベースはOCCの解釈書について、「銀行の新たな活動に事実上の申請プロセスを課し」、銀行のデジタル資産市場への参入を実質的に妨げていると主張。この解釈書を撤回するようOCCに求めた。
また、FRBとFDICに対し、管轄下にある州認可の銀行が仮想通貨関連のカストディーおよび執行サービスの提供とアウトソーシングの両方を行うことができることを確認するよう促した。
コインベースが起用した3つの法律事務所からの別の書簡では、すでに銀行が仮想通貨サービスを提供し、同社のような第三者サービスプロバイダーと関わることが現行の連邦法規制下で認められているとしている。
コインベースによると、銀行当局がこの点を確認する必要がある。OCCとFDICの担当者はコメントを控え、FRBもコメント要請に応じなかった。
コインベースの最高政策責任者ファリヤール・シルザド氏はインタビューで、「銀行が顧客に取引や交換サービスを提供する際に第三者プロバイダーと協力できることを規制当局が明確にすることが重要だ」と述べた。
銀行は規制当局の要請により、仮想通貨サービスの提供に関し待機状態にある。FDICは2022年3月から23年5月まで、監督下にある一部の金融機関に書簡を送り、計画中または進行中の仮想通貨関連の活動を一時停止するか拡大しないように求め、追加情報を提供するよう指示した。
原題:Coinbase Urges US to Lift Barriers for Crypto Bank Services (1)(抜粋)
--取材協力:Emily Nicolle、Monique Mulima、Katie Greifeld.
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