(ブルームバーグ):来週の円相場は上昇しそうだ。日本銀行の追加利上げ観測を背景に円買いが続く見込み。トランプ米大統領の関税発言に対するドル買いの反応が鈍くなる中、雇用統計など米国の主要経済指標をにらみつつ、1ドル=152円台後半の200日移動平均線をうかがう展開も想定されている。
市場関係者の見方
◎あおぞら銀行の諸我晃チーフマーケットストラテジスト
- 米経済指標が上振れて米金利上昇が進みドルが高くなる可能性もあるが、基本的にドルは買われ過ぎており、ドル・円は上値の重い展開を見込む
- 米指標で現在2割程度の3月の米利下げ織り込みがどうなるか注目
- 日銀の氷見野良三副総裁の30日の講演はそれほどタカ派的でなかったが、金融正常化の方向を改めて示したことがドル・円の上値を抑制する材料になる
- 152円80銭付近の200日線はドルのサポートも、152円50銭から157円50銭のレンジか
◎大和証券の石月幸雄シニア為替ストラテジスト
- 米雇用統計に大きく左右されるため、どちらか一方にポジションを傾けるのは難しいが、テクニカル面ではドル・円は下向きの方向
- ドルは上値を切り下げる展開が続いているので、何か材料が出たらドル安方向を警戒すべき。戻りがあっても155円を超えた辺りがめどで、行き過ぎても156円までとみている
- 153円台前半にある一目均衡表の雲の下限を引け値ベースで抜ければ、150円方向に円高が進む可能性がある
来週の主な予定
- 3日:日銀金融政策決定会合の主な意見(1月23、24日開催分)
- 3日:1月の米ISM製造業景況指数
- 5日:昨年12月の毎月勤労統計
- 5日:1月の米ISM非製造業景況指数
- 6日:日銀の田村直樹審議委員が講演・会見
- 7日:1月の米雇用統計
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