(ブルームバーグ):フランスの高級品ブランドグループ、LVMHモエヘネシー・ルイヴィトンのベルナール・アルノー会長は、傘下に収めたティファニーの昨年10-12月期(第4四半期)の売り上げが増加し、LVMHによる買収後は収益性が高まっていると明らかにした。
28日の第4四半期の決算発表後、アルノー氏はパリで記者会見し、ティファニーの既存店舗の売上高が前年同期比で9%増加したと語り、LVMHのティファニーでの戦略が奏功していることを示す兆候だと強調した。ブルームバーグの翻訳によると、アルノー氏は「ティファニーは眠れる森の美女だった。われわれは彼女を起こすことにした」と語った。

LVMHは2021年、高級ブランドの買収としては史上最高額の160億ドル(現在のレートで約2兆4900億円)でティファニーを買収した。アルノー氏は28日、この買収が「素晴らしい価格だった」と述べ、同ブランドの2024年通年の利益が買収前の2倍になったと付け加えた。
また、ティファニーの買収後、より高い売上目標を達成する意欲がないとして、一部の従業員をレイオフしたことも明かした。アルノー氏は「10年も安眠に慣れていたのに、突然、猛々しくなることを求められ、高い目標達成を期待されたら、一部の人はそれを受け入れられない」と語った。
ブルームバーグ・ニュースは27日、匿名を希望するティファニーの前役員や前社員の話として、買収以降、富裕層顧客を限定イベントに呼び込む努力が不十分だとして店舗マネジャーを叱責したり、ボーナスの約束を一部破棄したりするなど、ほとんど達成不可能な販売目標を従業員給与と連動させていると報じた。記事中でブルームバーグは、ティファニーのニューヨーク・マンハッタンの旗艦店の12月売上高が、前年とほぼ同水準だったとしている。
アルノー氏は「旗艦店は素晴らしい業績を出した」と述べた。ティファニーで店舗を改装または新規オープンすると、収益が25%増加するとしている。
原題:Arnault Says LVMH Has Woken Up ‘Sleeping Beauty’ Tiffany(抜粋)
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