(ブルームバーグ):デンマーク自治領グリーンランドの住民の圧倒的多数が米国への編入に反対していることが最新の世論調査で分かった。グリーンランド領有を望むトランプ米大統領にとっては打撃となった。
デンマークのベリンスケ紙とグリーンランドのセルミツィアク紙の委託でベリアンが実施した世論調査によると、85%が米国への編入を望まないと回答。デンマークよりも米国の領有が望ましいとの回答は約6%にとどまった。どちらとも言えないとの回答は9%。
トランプ氏は安全保障上の理由からグリーンランドの占有を望んでおり、武力行使の可能性を排除していない。またグリーンランドの住民はデンマークより米国の一部となる方を選ぶだろうと述べている。
一方、グリーンランドの政治指導者の多くは独立を目指している。 グリーンランドのエーエデ自治政府首相は最近、「われわれはデンマーク人にも米国人にもなりたくない。当然のことだが、グリーンランド人になりたいのだ」と発言した。
デンマークはトランプ氏と対立する状況をうまく乗り切ろうと全力を尽くしている。フレデリクセン首相は28日、欧州同盟国の支持拡大を図りベルリンとパリを訪れた。トランプ氏を刺激することなく団結をアピールする狙いだ。
デンマークのラスムセン外相はこの日、コペンハーゲンの地元メディアに対し、「トランプ氏はグリーンランドを手に入れるべきではない」と発言。「グリーンランドはグリーンランド」であり、住民が最終的に自らの状況を決定すると語った。
この世論調査は今月22-26日に実施。18歳以上のグリーンランド住民の代表サンプルを対象に497件のインタビューをオンラインで行った。調査結果は28日に公表された。統計的不確実性は約3.1ポイント。
ベリンスケ紙によると、トランプ氏のグリーンランドへの関心は脅威だと45%が回答。デンマーク国籍と米国籍のいずれかを選ばなければならない場合、米国籍を選ぶとした回答は約8%にとどまったという。
原題:Greenlanders Reject Trump With 85% Majority Against Joining US(抜粋)
--取材協力:Sanne Wass.
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