待ち望まれていた米国の新規株式公開(IPO)ブームは、大歓声ではなく泣き言とともに始まった。

当初、1100億ドル(約17兆円)の評価額で募集されていた液化天然ガス(LNG)輸出業者ベンチャー・グローバルはIPOの規模を縮小した結果、時価総額が2割減少。世界最大の豚肉加工業者スミスフィールド・フーズは、オーナーが最大10億ドル規模のIPOを目指していたが、IPO価格は仮条件を下回る水準となり、5億2200万ドルの資金調達にとどまった。初日の取引では株価は下落した。

1-3月(第1四半期)の米大型IPOのうち2件に対する投資家の冷ややかな反応は、銀行やアドバイザーが予想していなかったほど厳しいものだ。特に投資環境が不安定な時期にあるため、投資家と新株の売り手は企業評価に対する期待のギャップを埋めるのに苦慮している。

PwCのIPOサービスリーダー、マイク・ベリン氏は「2025年最初の数週間に起こっていることを無視することはできない」と指摘。「投資家は持続可能な成長と強固なビジネスモデル、将来の成長への明確な道筋を求めているという全セクターに共通する明確なメッセージが発せられている」と述べた。

「上場予備軍」と期待されていた企業が非公開での資金調達を選択し、IPO市場が3年にわたり低迷した後、バンカーや経営陣は25年を新規公開株の当たり年と売り込んできた。市場は今、トランプ政権による規制緩和と減税の波に備えているが、投資家は依然として値切ろうとする姿勢だ。

ベリン氏はインタビューで、「一部の評価調整は、市場がファンダメンタルズを重視し、同業他社に対する公正な相対価値でのIPO価格設定を企業に求めていることを示している」と語った。

原題:Venture Global, Smithfield IPO Flops Threaten 2025 Bull Case (1)(抜粋)

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