(ブルームバーグ):米エヌビディアは中国のスタートアップ企業DeepSeek(ディープシーク)が発表した新人工知能(AI)モデルについて、米国の技術輸出規制に準拠した「AI技術の優れた進歩」だとの認識を示した。
エヌビディアは発表文でディープシークについて、テストタイム・スケーリング技術を使用して新しいモデルが作成され得ることを示すものだと指摘。「広く利用可能なモデルと、輸出規制に完全に準拠したコンピューティングを活用している」と説明した。
エヌビディアの見解は、ディープシークが技術創出において、米国の高性能チップへのアクセスを制限する規制に違反していないとの認識を示唆するものだ。エヌビディアの優れた製品の大半は米政府の許可なく中国企業に販売できず、通常は許可されない。
また、ディープシークが主張するような画期的な成果を達成することは不可能だと一部のアナリストや専門家が抱いている疑念を、エヌビディアが否定したとも受け止められる。
過去2年間で5倍強に値上がりしていたエヌビディアの株価は、ディープシークのAIモデル提供でエヌビディアの高額製品のニーズが減るとの懸念が広がり、27日に上場企業としては過去最大級の急落を演じた。
ただ、エヌビディアは発表文で、AIモデルの実行作業には同社製品が依然として多く必要だと指摘。AIの「推論作業には膨大な数のエヌビディア製GPUと高性能ネットワークが必要だ」とした。
米オープンAIのサム・アルトマン最高経営責任者(CEO)はXへの投稿でディープシークのR1について「素晴らしいモデルだ。あの価格で提供できるサービスを考えると特にそうだ」と指摘。その上で、「われわれがより優れたモデルを提供していくのは明白だ。新たな競合相手の登場は本物の活性化につながる」と付け加えた。
原題:Nvidia Calls DeepSeek ‘Excellent’ AI Advance, Dismisses Concerns、OpenAI’s Altman Says DeepSeek’s R1 Impressive at Its Price Point(抜粋)
(オープンAIのアルトマン氏の発言を追加して更新します)
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