米銀大手のJPモルガン・チェースとゴールドマン・サックス・グループが、ダイバーシティー(多様性)推進策の撤回を求める動きに反発している。

ニューヨークに本店を置く両行の最高経営責任者(CEO)は22日、テレビ番組に出演し、アクティビスト(物言う株主)から方針転換を迫られているものの、行員や顧客基盤の多様性・公平性・包摂性(DEI)を推進するプログラムに引き続き力を入れていくと表明した。

JPモルガンCEOのジェイミー・ダイモン氏はCNBCとのインタビューで、社会的に疎外されたグループをJPモルガンの事業に取り込むことは最終的に利益につながると主張。同行のDEIへの取り組みは、全米の地域社会リーダーや地方行政からたびたび称賛されていると述べた。

ジェイミー・ダイモン氏

インタビューは世界経済フォーラム(WEF)年次総会が開かれているスイスのダボスで行われた。

ダイモン氏は「われわれは黒人やヒスパニック、LGBTら性的少数者、退役軍人のコミュニティーに今後も手を差し伸べ続ける」と語った。

一方、ゴールドマンのデービッド・ソロモンCEOはCNBCとの別のインタビューで、具体的な株主提案は見ていないが、同行は顧客が何を求めているかに配慮しており、「顧客との対話といつも通りの業務遂行を引き続き重視している」と話した。

20日のトランプ大統領就任式に先立ち、ウォルマートやメタ・プラットフォームズなど米国を代表する大手企業が自社のDEIプログラムを縮小する計画を相次ぎ発表。反DEIアクティビストのロビー・スターバック氏からの圧力に直面したウォルマートは、「全ての従業員と顧客、サプライヤーに帰属意識を育み、チャンスへの扉を開く」ための変更だと説明していた。

原題:JPMorgan, Goldman CEOs Resist Calls to Roll Back DEI Programs(抜粋)

もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp

©2025 Bloomberg L.P.