中国の化石燃料発電が昨年、過去最高を更新した。世界2位の経済大国で急増する電力消費にクリーンエネルギーの供給拡大が追い付いていない。

国家統計局のデータによると、石炭を主な燃料とする火力発電所の発電量は、2024年に前年比で1.5%増えた。中国では電力セクターが最も多く温室効果ガスを排出している。

化石燃料の生産量も昨年、過去最高を記録。石炭と天然ガスの生産が記録的水準となっているほか、原油生産は史上2番目の高水準。

風力・太陽光発電の大幅増と水力発電の回復により、中国が、温室効果ガス排出量をピークアウトさせることを目標としている30年の5年余り前に当たる昨年から、排出削減を開始したのではないかという期待に反する結果となった。

コンピューティング向け需要の高まりに加え、暖房や輸送に関連するセクターで電化が進んだことで、24年は電力消費の伸びが5年連続で経済全体の成長を上回ったもよう。

電力需要の動向は、25年に化石燃料発電が減少に転じるかどうかを判断する上で重要な鍵となる。中国は一方で、再生可能エネルギーの導入で世界をリードするペースを維持しており、送電線やエネルギー貯蔵設備への投資を増やしている。

グリーンピース・イースト・アジアのアナリストで北京在住のガオ・ユィホ氏によると、25年は中国での新たな電力消費の全てが再生可能エネルギーによって賄われる可能性が高まっており、電力セクターからの温室効果ガス排出も今年、ピークとなる道筋がつきそうだ。

原題:China Used More Coal Power Last Year in Blow to Climate Efforts(抜粋)

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