(ブルームバーグ):欧州中央銀行(ECB)のシュナーベル理事は、ユーロ圏のインフレ率が2%に向かいつつあり、利下げ継続の余地がある可能性が高いが、慎重に進める必要があるとの見解を示した。
シュナーベル理事は19日配信の「フィナンツティップ」のユーチューブチャンネルでのインタビューで、「現時点では2%の目標到達を阻みかねない大きなリスクをわれわれは認識していない」とし、「実際にそうであれば、われわれはおそらく追加利下げを行えるだろう」と語った。
ただ、「ここ数カ月の急ペースの利下げにより、追加利下げが可能かどうかやどこまで利下げを進められるかについてさらに精査すべき地点に近づいている」とも強調した。
ECBは昨年の4回の利下げに続き、今月の政策委員会会合で0.25ポイント利下げを行うと広く示唆している。年内にインフレ目標の持続的達成が予想される中、当局者の関心は低迷する経済へと移っている。
エコノミストや投資家は今年計1ポイントの利下げが行われ、中銀預金金利は現行の3%から2%に引き下げられるとみている。だが、20日のトランプ氏の米大統領就任など、成長とインフレ見通しの不確実性は依然高い。
シュナーベル氏は次期米政権が貿易紛争を引き起こす可能性は「非常に高い」とし、特に欧州連合(EU)が報復措置を講じた場合、欧州の経済活動や物価にも悪影響が及ぶ恐れがあると指摘。「そうなれば輸入物価上昇につながる」と述べた。
また、現時点でトランプ氏の計画に関する情報が乏しいことが極めて高い不確実性につながり、個人消費や投資が抑制されているとし、これは経済にとって「害毒」だと語った。
原題:ECB Can Cut Rates, But Caution Needed, Schnabel Tells Finanztip(抜粋)
もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
©2025 Bloomberg L.P.