(ブルームバーグ):インドのIT(情報技術)サービス会社インフォシスの株価が17日の取引で下落した。通期の売上高見通しがアナリストの予想を下回り、ITサービス需要の回復が緩やかなものにとどまることを示唆した。
株価はムンバイ市場で一時6%下落。取引時間中としては2023年7月以来の大幅安となった。16日の同社発表によると、25年3月期の売上高は4.5-5%増加する見込み。従来予想の3.75-4.5%増から上方修正となったが、アナリスト予想平均の5.6%増収は下回った。
金利上昇や中東などでの武力紛争による不確実性の高まりで、海外顧客による24年のソフトウエアサービス支出は減速。インフレ圧力の緩和で今年は米利下げの可能性が高まり、顧客のITプロジェクト向け予算にはプラスだが、トランプ次期政権下での専門技術者の就労ビザ「H-1B」の制限や保護貿易主義的な障壁が、アウトソーシング事業に悪影響を及ぼす可能性がある。
24年10-12月(第3四半期)の純利益は11%増の681億ルピー(約1220億円)。アナリスト予想平均は677億ルピーだった。アウトソーシング企業にとって通常、同期は季節的に低調な時期となる。売上高は7.6%増の4176億ルピー。
サリル・パレク最高経営責任者(CEO)は16日、ベンガルールの本社での記者会見で「金融サービス、小売り、消費財における裁量支出の明確な変化を目にしており、われわれにとって確かな自信につながる」と語った。
インフォシスの最大市場である米国の顧客は、経済が好調に推移すると期待しており、それが同社に自信を与えているとパレク氏は付け加えた。
同社よりも規模の大きいインド同業のタタ・コンサルタンシー・サービシズ(TCS)は先週、顧客がIT支出にこれまでの数四半期よりも自信を深めていることや取引サイクルが短くなっていることを挙げ、今年の業績は昨年よりも好調に推移するとの見通しを示した。
原題:Infosys Shares Drop as Investors Question Pace of IT Recovery(抜粋)
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