金利スワップトレーダーはこの数日間で、来週の日本銀行の金融政策決定会合で利上げがほぼ確実に行われるとの予想を一気に強めた。

17日のオーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)市場では、23、24日の決定会合での0.25ポイント利上げの確率が一時99%まで上昇した。15日時点では71%だった。

日銀の植田和男総裁が15日、来週の会合で米国の経済政策と春闘に向けたモメンタムなどを精査し、追加利上げの是非を判断すると言明したことで、市場の利上げ期待が高まり、円高が進行。トランプ米次期大統領の就任時に市場が混乱しなければ、日銀は追加利上げを決める公算が大きいとの16日のブルームバーグ報道により、円は一段と上昇した。

17日の東京市場で円は一時1ドル=154円台後半を付け、昨年12月19日以来の高値を更新。国債市場では幅広い年限で利回りが上昇し、金融政策見通しを反映しやすい2年債利回りは15日に2008年以来の高水準を付けた。

大和証券の石月幸雄シニア為替ストラテジストは、「日銀が来週利上げするのはほぼ確実だろう」と指摘。トランプ氏の就任演説については「政策の方針は示すだろうが、それで市場が大荒れになるリスクまでは考えなくてもいいのではないか」と語る。

ブルームバーグの調査では、植田総裁発言を受けた期待の高まりを反映し、7割超のエコノミストが来週の利上げを予想した。オプション市場では、日銀会合が期間内となるドル・円の1週間物インプライドボラティリティー(IV、予想変動率)が約1カ月ぶりの水準に上昇している。

もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp

©2025 Bloomberg L.P.