(ブルームバーグ):世界銀行は、途上国が今後一段と厳しい状況に直面すると警告した。世界的な成長鈍化で生活水準は向上せず、政策の高い不確実性に伴い先進国からの投資も抑制されると見通しを示した。
世銀は16日発表の最新の「世界経済見通し」で、途上国の長期成長率が2000年以来で最も低くなると予測。今後25年は低所得国から中所得国に移行する数も極めて少ないとした。
世銀のチーフエコノミスト、インダーミット・ギル氏は「今世紀初めに先進国との所得格差を是正する軌道に乗ったが、今は大部分で後れがさらに拡大しつつある」と分析した。
世銀は今年と来年の世界経済の成長率について、昨年6月時点の2.7%という予想を堅持した。これはコロナ禍前の平均(3.1%)を下回る。
世銀によれば、世界経済は通商政策の転換や地政学的緊張に伴う厳しさに直面し、大部分の途上国は投資・生産性改善の勢いが失われ、高齢化や環境危機の逆風にさらされている。
「今後25年間は、途上国にとって過去25年間より厳しい状況が続くだろう」とギル氏は予測した。
原題:World Bank Warns of Challenges Ahead for Developing Economies(抜粋)
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