スマートフォンの英スタートアップ、ナッシングは事業拡大のため少なくとも1億ドル(約155億円)の資金調達を目指している。事情に詳しい関係者が明らかにした。同社は米アップルで「iPod」の開発を率いたトニー・ファデル氏やグーグルのベンチャー部門が支援している。

未発表情報であることを理由に匿名で述べた同関係者によると、同社は「シリーズC」ラウンドを最近開始した。

アップルのiPhoneに挑もうと、新たな端末を開発するスタートアップ企業は幾つかあるが、中国企業を除き、潤沢な資金を持つ競合大手に匹敵するような企業はほとんどない。ナッシングは2023年には約1億ドルを調達した。

透明な背面が特徴のユニークなデザインでファンを惹きつけたナッシングは、中国の人気スマホメーカー、ワンプラスの共同創業者だったカール・ペイ氏が率いている。ナッシングのスマホは価格が250-700ドル。このほかにもイヤホンやスマートウォッチを販売している。

同社は昨年、年間売上高を5億ドル余りに倍増させ、最近になって累計売上高は10億ドルを突破したという。また投資家への報告によれば、利益率は1年前よりも改善し、これまでに全製品の販売台数は700万台に達した。

ナッシングの広報担当者はコメントを控えた。

同社の最大市場はインドで、次にドイツと英国だと同関係者は語った。またオーディオ機器の最大の市場は米国であり、英国やドイツ、日本がそれに続くという。

原題:Phone Startup Nothing Seeks to Raise $100 Million in New Round(抜粋)

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