(ブルームバーグ):鉱山会社大手のリオティント・グループとグレンコアは経営統合の可能性について協議している。事情に詳しい複数の関係者が明らかにしたもので、実現すれば鉱業セクターで過去最大のディールとなり、長年の業界リーダー、BHPグループに対抗する巨大企業が誕生する可能性がある。
関係者によると、リオティントとグレンコアは最近、初期段階の協議を行った。ただ、協議が現在も継続中かどうかは不明。機密情報だとして関係者は匿名を条件に話した。
リオティントは鉱山会社で世界2位で、16日のロンドン市場取引終了時の株式時価総額は約1030億ドル(約16兆円)。一方、グレンコアの時価総額は約550億ドル。BHPグループは約1260億ドル。
リオティントとグレンコアの担当者はいずれもコメントを控えた。リオの米国預託証券(ADR)は16日に下落したが、グレンコアは一時8.7%上昇した。17日のシドニー市場ではリオティント株は一時1.8%下落した。
両社のいかなる取引も複雑になり、複数の潜在的なハードルに直面しそうだ。グレンコアの巨大な石炭事業は障害となり、スピンオフ(分社化)される可能性もあると関係者の1人は話した。一方、カザフスタンやコンゴ民主共和国などにあるグレンコアの資産はリオティントには魅力に欠ける可能性もある。また、両社の企業文化や歴史は大きく異なる。
鉱業業界ではここ数年、企業の合併・買収(M&A)が活発化している。世界的な脱炭素化の取り組みで中心となる金属である銅の分野で、大手生産者が事業拡大を望んでいることが主な要因だ。
リオティントとグレンコアはいずれも世界屈指の銅山を所有する。だが、リオはBHPと同様、利益の多くを鉄鉱石に依存している。中国の長年にわたる建設ブームが終わりを迎え、鉄鉱石市場は長期にわたる低迷期に向かう様相を呈している。
グレンコアは2014年にリオに合併を提案したことがあり、業界で最も積極的なディールメーカーの1社。
原題:Rio Tinto, Glencore Said to Discuss Potential Combination (3)、Rio Tinto Shares Fall After Report of Glencore Deal Talks(抜粋)
(背景を追加し、リオティントとグレンコアの株価を更新します)
--取材協力:Jack Farchy、Michelle F Davis.もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
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