17日の東京株式相場は下落し、日経平均株価は一時下げ幅が500円を超えた。米連邦準備制度理事会(FRB)のウォラー理事が追加利下げの可能性を示唆し、為替市場で円高が進んだことが嫌気され、電機や自動車など輸出関連株の一角が安い。日米金利の低下を受け、銀行や保険など金融セクターも下落。

TOPIXを構成する2119銘柄中、下落は1563、上昇は463にとどまった。売買代金上位で下げが目立ったのは任天堂。前日に新たな家庭用ゲーム機の詳細を4月に発表すると明らかにしたが、サプライズ要素に乏しいとの見方が広がった。アドバンテストや三菱UFJフィナンシャル・グループ、三菱重工業、トヨタ自動車、東京海上ホールディングスも安い。

大和証券の柴田光浩シニアストラテジストは、米国の利下げ観測は全体的にかなり後退しているものの、円高やここ数日の米金利低下が材料視されているとの認識を示した。

また、三井住友DSアセットマネジメントの市川雅浩チーフマーケットストラテジストは、来週はトランプ次期米大統領の就任や日本銀行の金融政策決定会合など重要イベントを控え、ポジション調整が行われている可能性を指摘した。

この日の円相場は対ドルで一時154円98銭と1カ月ぶりの円高水準を付けた。ウォラーFRB理事は16日、今後も良好なインフレデータが続いた場合は2025年前半に追加利下げが実施される可能性があるとの見解を米経済専門局CNBCで示した。

一方、日銀の来週の追加利上げ観測が急速に強まっており、市場の金利見通しを反映するオーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)は1月利上げの可能性を約9割織り込んでいる。

インサイト

  • 東証33業種中、31業種が下落。下落率上位はその他製品、銀行業、保険業、海運業、卸売業、輸送用機器など。上昇は鉄鋼、パルプ・紙の2業種
  • MSCIアジア太平洋指数は0.4%安

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