(ブルームバーグ):タイ政府は高度な技量を持った専門家や投資家、富裕層の外国人に長期滞在を促すためビザ(査証)規定を変更する。投資委員会(BOI)が15日発表した。
「富裕グローバル市民」のカテゴリーで長期居住者(LTR)ビザを申請する外国人については、最低年収要件などが廃止される。また、LTRビザ保持者は今後、扶養家族の人数制限も受けないという。これまでは4人までしか認められていなかった。
2022年に導入されたLTRビザは、申請者に10年間の滞在許可やデジタル労働許可証、個人所得税の優遇措置などさまざまな特典を提供。タイ政府は新型コロナウイルス禍後の経済を活性化させる方法としてアピールしてきたが、これまでに6000人余りが利用し、欧州からの申請が最も多いという。
BOIのナリット長官は声明で、「より包括的で競争力のあるアプローチを確保することで、こうした変更は投資と潜在能力の高い人材のグローバルハブとしてのタイの位置付けをさらに強化する」と指摘。「スムーズなビザ手続きは、ビジネスを容易にするというわれわれの取り組みの重要な一部だ」と説明した。
富裕グローバル市民は年収要件が撤廃される代わりに、タイ国内での累積資産および投資が中核要件として優先される。LTRビザプログラム変更の主な内容は以下の通り。
- ビザ申請者のスポンサーとなる外国企業の売上高要件
- 過去3年間の最低1億5000万ドル(約235億円)から最低5000万ドルに引き下げ
- 大手多国籍企業の支社で働く従業員は、親会社の財務諸表により財務安定性を証明できる場合、ビザの適格対象となる
- 高度な技能を持つ専門職を対象とする業種リストに、災害・リスク管理と統合イノベーションを追加
- これまでは科学やテクノロジーなどの業種に重点が置かれていた
- 専門職については、関連分野での最低5年間の実務経験という要件を廃止
原題:Thailand Eases Visa Rules for Professionals, Wealthy Foreigners(抜粋)
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