(ブルームバーグ):16日の東京外国為替市場の円相場は一時1ドル=155円台前半まで上昇し、主要通貨に対して全面高。日本銀行はトランプ米次期大統領の就任時の発言で金融市場に大きな混乱が起きなければ、来週の金融政策決定会合で追加利上げを決める公算が大きいとのブルームバーグの報道を受けて、円買いが一段と進んだ。
SBIリクイディティ・マーケットの上田真理人金融市場調査部長は「日銀はたぶん来週、利上げするだろう」と指摘。残る不確実性はトランプ政策だけだが、「20日の就任演説で日銀の政策に影響を与えるような具体的な発言はないのではないか」との見方を示した。
円は前日に続き、主要10通貨全てに対して上昇。15日の植田和男総裁の発言を受けて、金利スワップ市場では23、24日開催の日銀金融政策決定会合での利上げの織り込みが8割台まで進んでいる。三井住友信託銀行米州部マーケットビジネスユニットの山本威調査役(ニューヨーク在勤)は、「想定以上に円高が進んでいる」とした上で、日銀利上げの条件はそろってきていると述べた。

公聴会
ベッセント次期米財務長官候補は米東部時間16日午前10時半(日本時間17日午前0時半)から行われる上院財政委員会の公聴会で、ドルが世界の準備通貨であり続けるようにするのが重要と述べる予定だと、報道担当者が証言内容を事前に明らかにした。これを受け、一時ドルが買われた。
SBILMの上田氏は、「基軸通貨としてのドルの地位を保つことはある意味で公約だったので、あまり影響していない」と指摘。公聴会については「財政規律を重んじ、まっとうな見解を示すだろう」との見方を示した。
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